アルコール性肝硬変の彼

アルコール性肝硬変の治療内容と経過
私たちの日常などを書いていきたいと思います✏
アルコール性と聞いてあまり良い印象は与えないかもしれないけれど、
何かのきっかけになってほしい…
頑張りが無駄な事なんてないと信じて治療を頑張っています🍀

お願い…

彼が私の前で初めて泣いた



今まで通院や入院をしていた大学病院から

大学病院では長期の入院は困難だと

同じ市内の総合病院を紹介され

そちらでお世話になる事になった。


ある程度の融通もきくし

先生も信頼できるからと言われ

とにかく受け入れてくれるならと

不安はあったけどすがる思いで転院した。


彼と彼の両親と私に治療の説明があった。


主治医「まぁー俺の匙かけんで簡単に死んじ ゃうよ」


…え?なに…この先生

彼は笑ってたけど

私は笑えなかった


落ちついたからと一時退院。


外来で出された薬が極端に増えた為

毎夜繰り返される嘔吐

おかしいと先生に相談しても

吐いても飲め。

そして恐れてた一番避けたかった

脳症をまたおこした。


救急で病院へ。

処置が終わり彼のもとへ呼ばれた


腕と体と足に拘束帯をつけた状態

仕方ないのかもしれないけど見ているのが辛かった。


足が痛いとろれつが回らないのに一生懸命訴える彼。

足はパンパンに浮腫んでいるのに拘束帯がくい込むほど強くされていた。

ここまでしなくてもせめて足だけでもと

看護師さんに頼み外してもらうと

彼はスヤスヤ眠りについた。

痛かったんだね…すぐに気付いてあげれなくてごめんねって本当に悔しかった。


先生が来ないとあとは取れませんと言われ

それから2時間

ようやく来た主治医の右手にはコーヒ。


…え?


唖然とした。


「おー暴れたんだなー(笑)」

「なにしたのー(笑)」

と笑いながら言う主治医。


ほんと、ぶっ飛ばしてやりたいくらい

怒りでおかしくなりそうだった。


この人コーヒーを持って入ってきた…

患者見て笑ってる…


その日私は

あった事を話して

おかしいと思う。と

病棟の看護師さんに相談した。


話を聞いてくれた看護師さんが

「おかしいですよ!」

「コーヒ持ちながら入ってくるなんてありえ ません!」

「看護師長に言います」と言ってくれた。


しばらくして彼の意識がはっきりし

「大丈夫だよ。

また入院だけど頑張ろうね」と

私はいつものように言うと

彼が静かに涙を流した。


…悔しい

ごめんな、俺先に行くわ

待ってるから

ごめんな


え?

何言ってるの

嫌だよ、死なせないし


私は言われた事の悲しさより

彼の気力が無くなりかけてる事に気づき

居てもたってもいられなかった。


なぜなら

大学病院の時の主治医が

普通ならもう亡くなっていてもおかしくないんです。

平均台の上を片足でたっているような状態なんです。

彼がここまで生きてこれているのは

彼の生きたいと強く思う気持ちが

チカラになっているんだと思います。

と言っていたから…


彼の中の張り詰めてた糸がいきなり切れてしまったようなそんな感じだった。


拘束帯で、足が痛くて伝えたくてもろれつが回らない

主治医が、笑っていても言い返せない

彼は意識が戻りつつあり分かっていたから

悔しくてたまらなかったんだ。


その後も外来の度に

「とりあえずこの薬で2週間は生きるから」

と、主治医は言い放ち笑う。


こんなのおかしい

主治医を信頼できなきゃ治療がうまくいくわけない

紹介状を大学病院に書いてもらいまた大学病院へと転院した。


お酒を飲む仕事をしてきて

経営の為に売り上げの為に無理もしてきた

だけど、彼の過ちもあった

最初に吐血した段階でやめればよかった

悔やんでも遅いけど

自分が悪いけど

自業自得だけど

こんなに今もがいて頑張っています

罰はもうちゃんと受けたよ神様


体力も落ちてきているのに

気力まで奪わないでください


神様が悪いんじゃないのに

ごめんなさい